サラリーマンについて確定申告が必要な場合とは

 サラリーマンの方々は基本的には12月度の給与にて会社が行う年末調整によってその年の所得の精算(確定申告に相当します)が終わりますが、給与収入の金額が2,000万円を超えている、今年住宅を購入した、等によりご自身での確定申告が必要な場合があります。

 具体的にサラリーマンが確定申告が必要な場合は下記のとおりです。

 なお、1~7に該当した場合には、確定申告をしなければなりません。8~18に該当した場合には、確定申告の義務はありませんが確定申告を提出することによって所得税の負担を減らすことができます。

 また、8~18に該当し所得税計算をした結果、所得税の納め過ぎにより還付を受けることとなる場合には、来年の1月1日から提出することができます。

 

1.給与収入の金額(※)が2,000万円を超える場合(年末調整の対象となりません)

 

※給与収入の金額と給与所得の金額とは違います。
 給与収入の金額は、額面金額(「給与所得の源泉徴収票」に記載の「支払金額」、いわゆる年収と呼ばれる金額)で、給与所得の金額は給与収入の金額から給与所得控除額(みなし経費)を控除した後の金額(「給与所得の源泉徴収票」に記載の「給与所得控除後の金額」)です。

 

2.1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の収入(不動産賃貸収入、土地建物等の売却収入、原稿料収入等)があり、その所得金額※(収入-必要経費等)の合計額が20万円を超える場合

 

※この所得金額には、預金利息(利子所得)などの源泉分離課税(支払いを受ける際に一定の税率で源泉徴収され、それだけで所得税の納税が完結する制度)の対象となるものを除きます。

 

3.2か所以上から給与の支払を受けている人で、年末調整を受けない給与収入の金額と給与所得および退職所得以外の収入の所得金額(収入-必要経費等)の合計額が20万円を超える場合

 ただし、その年の給与収入の合計金額から各所得控除の合計額(※)を差し引いた残高が150万円以下で、かつ給与所得および退職所得以外の収入の所得金額(収入-必要経費等)の合計額が20万円以下の人は確定申告不要です。

 

※各所得控除の合計額とは

 社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除および扶養控除の合計額

 主たる給与について年末調整を受けた後に会社より受領する「給与所得の源泉徴収票」に記載の「所得控除の額の合計額」から基礎控除38万円を除いた金額です。 

 

4.上記2.3.にかかわらず、同族会社の役員またはその役員の親族である人等で、その同族会社から貸付金利子収入や不動産賃貸収入等を受け取っている場合(金額による免除基準はありません)

 

5.年末調整の際に会社に申告した各種控除の内容に違いがあった場合

 

6.災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている場合

 

7.退職所得がある方で、源泉徴収されていない外国企業から受け取った退職金がある場合

 

8.年の途中で退職したなどにより、年末調整を受けていない人で、その後その年中に他の所得がないことなどにより、給与について源泉徴収された税額が納め過ぎとなっている場合

 

9.今年中に住宅の取得等をした、または認定長期優良住宅の取得等した、および所有する家屋についてバリアフリー改修工事等の特定の増改築等を行った場合で、住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)の適用を初めて受ける場合

※2年目以降の適用は年末調整により受けることができます。

  

10.今年中に支払った医療費が保険金などで補てんされる金額を除いた後で10万円か所得金額の合計額の5%相当額かのいずれか低い金額を超えるため医療費控除の適用を受ける場合

  

11.国、地方公共団体、公益法人等に寄附をしたことにより、その金額が2,000円を超えるため寄附金控除の適用を受ける場合

 

12.政党等に対して政治活動に関する寄附をしたことにより寄附金控除の適用を受ける場合

 

13.所得が一定額以下の人などで、配当所得があるため配当控除の適用を受ける場合

※配当控除の適用を受けた場合には、配当所得について総合課税による所得税計算となりますので、他の所得が多い場合には配当所得についての源泉徴収税額(所得税と住民税合わせて10%)よりも負担税額が大きくなり配当控除を受けた方が不利となることがあります。ご注意ください。

 

14.外国で所得税に相当する税を納めた人で、外国税額控除の適用を受ける場合

 

15.退職金の支払いを受けた際に「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしなかった場合   

※提出がなかった場合には、退職金の支払時に退職金の額の20%に相当する所得税を源泉徴収されており、通常はその提出があった場合に比べて多額の税額が源泉徴収されていることになりますが、その税額の精算は退職所得の受給者本人の確定申告により行います。

 

16.通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費等の仕事の遂行に必要な支出(特定支出)の額の合計額が給与所得控除額を超えるため、特定支出控除の適用を受ける場合

※平成25年よりこの特定支出の範囲が見直され広がります。詳細については別途コラムにて記載する予定です。

 

17.災害により住宅や家財についてその価額の50%以上の損害を受けたため、災害減免法の規定による所得税の軽減、免除を受ける場合

 

18.災害または盗難もしくは横領によって資産について損害を受けた等により雑損控除の適用を受ける場合

  

 

 サラリーマンにとって確定申告が必要となる場合は、上記のうち9.の住宅を購入した場合や、10.のお子様が生まれた等により多額に医療費がかかった場合が主なケースだと思います。

 

 なお、近年サラリーマンの方でもFX取引などにより副収入を得られている方がいらっしゃるかと思いますが、FX取引による所得(雑所得:収入金額-必要経費)についても上記2.3.の対象となりますし、また近年の金価格の上昇により、今年中にお手元の金地金の譲渡をされた方もいらっしゃるかと思いますが、金地金の譲渡による所得金額(譲渡所得:譲渡収入の金額-譲渡した金地金の取得費用-譲渡にかかった費用-50万円)についても同様に上記2.3.の対象となってきますので、年末調整を受けた給与収入以外の何かしらの収入がある方については、ご自身が確定申告の必要があるのかどうかについて一度ご確認ください。

 

 ご不明な場合には、お近くの税理士にお気軽にお問い合わせください。 

 

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