会社設立のメリット・デメリット(その2)

 会社を設立するメリットその2として、新しく設立した法人については、消費税の2年間の免除を受けることができる点が挙げられます。
 個人事業をされていて、すでに消費税の課税事業者である方については、この2年間の消費税の免除は非常に大きなメリットになってくると思います。

 消費税は、税率アップの方向で改正が決まっており非常に注目が集まっている税目の1つですが、なぜ2年間の免除が受けることができるのでしょうか。

 

 これは、消費税の納税義務の考え方にポイントがあります。

 消費税の納税義務はすべての事業を行う者に課せられるのが原則ですが、その事業者について、個人事業者の場合にはその年の前々年、法人の場合にはその事業年度の前々事業年度(以下、「基準期間」といいます)における課税売上高が1,000万円以下であった場合には、その年、その事業年度の消費税の納税義務が免除されるという規定があるからです。

 

 この規定から考えた場合に、個人事業者が会社を設立(法人成りといいます)したときや新規開業により会社を設立したときの各法人には基準期間がありませんので、設立事業年度および2期目の事業年度について消費税が免除されることになります。

 ただし、設立事業年度および2期目の事業年度のそれぞれの開始の日における資本金の額が1,000万円以上の場合には、上記の免除の規定は適用されませんので、法人成りや新規開業により会社を設立する場合には、資本金の額を1,000万円未満にすることは節税面において非常に重要です。

 

 なお、実は上記の規定のほかに平成23年度の税制改正において、平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度より、基準期間における課税売上高による納税義務の判定以外に、新しく納税義務の判定規定ができましたので、それについて触れておきたいと思います。

 

 この規定は、基準期間における課税売上高がたとえ1,000万円以下であったとしても個人事業者の場合にはその年の前年の1月1日から6月30日まで、法人の場合にはその事業年度の前事業年度の上期(期首から6か月間)の課税売上高または給与等の支払額が1,000万円を超えるときには、その年、その事業年度の納税義務が免除されないというものです。

  たとえば、課税売上高が1,000万円を超えていても、同期間の給与等の支払額が1,000万円を超えていなければこの規定の適用がありませんので、もし課税売上高が1,000万円を超えてしまっている場合には給与等の支払額による判定をしてみてください。また、法人の場合に前事業年度が7か月以下の場合には、前々事業年度の上期にて判定します。

 

 さて、それではこの新しい規定は法人成りや新規開業により設立した法人にはどのように影響するのでしょうか。

 まず設立1期目については、前事業年度がありませんのでこの規定にかかわらず免税になります。

 そして2期目については、前事業年度(第1期)がありますので、第1期の上期の課税売上高または給与等の支払額での判定を行うことになります。

 

 ここで、たとえば1期目の事業年度の月数を7か月以下とした場合どうなるでしょうか。
 この場合には前々事業年度の上期で判定することになりますが、新設法人の場合には前々事業年度はありませんので、判定結果として免税となります。

 法人成りの場合で設立1期目から上期で課税売上高または給与等の支払額が1,000万円以上ということは少ないかもしれませんが、新規開業による新設法人において1期目から大きな売上が見込まれる場合には、設立事業年度の期間をうまく設定されることをご検討ください。

  

 このように、法人の場合には事業年度を自由に設定することが可能であることも会社を設立するメリットと言えるでしょう。

 個人事業では1月1日から12月31日までの事業年度から変更することはできませんが、法人の場合には上記のような理由を考慮したり、繁忙期や資金繰り等を考慮した事業年度に設定することができます。

 

 消費税に関するメリットも会社設立の仕方によって免税を受けられないこともあります。会社を設立する際には資本金の額や事業年度の設定の仕方にご注意ください。
 

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